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麦ご飯のお話

麦ご飯の歴史

奈良時代には、大麦は広く栽培されるようになり、平安時代にはお米と混ぜて食べてられるようになったそうで、麦ごはんの始まりと言えます。

日本では近現代になるまで、都市部以外では米だけの飯は神への捧げ物的な位置づけであり、祝祭時のみ炊かれるものだったようです。

 

戦国の時代に75才という長寿の徳川家康は若い頃から健康に留意し、麦ごはんにこだわっていたという話は、有名でしょうか。

また、日露戦争では、脚気によって死亡する兵士が多く出たそうです。原因が栄養障害によるものだと分かり、麦ごはんを食事に取り入れたことで兵士の健康が保たれたとの話があるそうです。

麦ご飯の特徴

大麦は食物繊維を豊富に含み、白米の約10倍にもなります。食物繊維の多い食事を摂っていると、これが細胞中に糖分の吸収を緩やかにしたり、
また、余分な糖分を体外に連れ出すと見られています。

麦ごはんに使われる原料の麦は大麦で、外皮を剥いたものを食します。
大麦を食べやすく加工したものを精麦といい、加工方法の違いから主に、押麦、ビタバァレー、米粒麦(切り麦)、丸麦に分類されます。

まず、押麦は外皮を剥いてから、水と熱を加えて2つのローラーで押します。麦とろ屋さんでよく扱って頂いているのがこの押麦です。
ビタバァレーは、大麦の中央の線(黒条)から縦に半分に切り、水と熱を加えて2つのローラーで押し、更にビタミンB1、B2を強化したもので、
脚気を予防するために開発された商品です。

また、ビタバァレーのビタはビタミンのこと、バァレーは大麦の英名そのままです。

米粒麦は、大麦の黒条から縦に半分に切り、米粒状に剥いた商品です。
押したものは、水洗いの時に浮きやすいのですが、この米粒麦は、お米とよく混ざり洗い易くなっています。
丸麦は、お米と一緒に炊く方は最近は少ないようですが、主に味噌や焼酎の原料として使用されています。
また、欧米では丸麦をスープやサラダ具材として使っているそうです。

麦ご飯の効能

麦とろの“とろ”は、やまいものこと。“やまいも”とは、ヤマノイモ料ヤマノイモ属の食用できる植物の総称です。
そんな中でも、粘りの強い大和いもが麦とろ飯に良く合います。
やまいもは、漢方で虚弱体質の改善や、疲労や病後の 回復に用いられます。
酵素の働きによって、一緒に食べた他の食品の栄養素を、消化・吸収するのを助けます。
この働きはアミラーゼなどのでんぷん分解酵素や解毒作用をもつ酵素によるもので、このために、やまいもは大変に消化が良く、
弱った胃腸をやさしくカバーしてくれます。
また、熱を加えると消化酵素の働きが半減しますから、新鮮なものを生のまま食べるのがよいでしょう。
ただし、アクが強いので、厚めに皮をむいたらすぐに酢水にさらし、アクをぬきます。
麦ごはんは栄養的には優れていても消化吸収しにくい成分があります。
しかし、やまいもをかけた麦とろ飯にすると、やまいもの消化酵素が麦ごはんの消化を助け、長所を引き出してくれるというわけなのです。
また、九州地方で馴染みのある冷や汁にはそうめんですが、麦ごはんにかけても大変おいしいです。