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大麦について

【英  名】 Barley 
【分  類】 イネ科 越年生草本
【学  名】 Hordeum vulgare L. 
【原産地】 中央アジア近辺 
【歴  史】 小麦と同じく世界最古の作物で、およそ1万年ほど前から西アジアから中央アジア(現在のイラク付近)で栽培されていたといわれています。また、古代エジプトのツタンカーメン王の墓(約三千年前)から、副葬品として納められた大麦が発見されています。
日本へは、小麦よりも早く、1,800年ほど前に中国から朝鮮半島を経て伝わったと考えられ、奈良時代には広く栽培されていたそうです。 

 

大麦の特徴

大麦は、食物繊維を多く含み、その含有量は白米の約10倍にもなります。
一般 には穀物が含む食物繊維は、不溶性(便通を良くするなど)の割合が高く、水溶性(血糖コレステロールの低下、血糖値の改善など)が低いのですが、大麦の場合、両方をバランス良く含んでいます。
また、大麦を食べるために皮を搗きますが、食物繊維は穀粒の中心まで存在していることもあってか、“大麦は食物繊維が多く含む”が、代表的な特徴となっているようです。
食物繊維の吸水性の高さから、大麦もよく水を吸い、この特徴を生かした利用方法も開発されています。


しかし、大麦にはパンを膨らますためのグルテンが含まれていないため、パンを焼いてもうまく膨らみません。

※小麦グルテンはグリアジンとグルテニンから形成していますが、大麦の場合、グリアジンではなくホルデインを成分としています。 

大麦と小麦の違い

  大麦 小麦
形状  茎は中空で、節間は長い。葉は幅広く白緑色。
太い円柱形の穂をつくり、長い芒(のぎ)がある。
茎は節のある円筒状で、葉は細長く、基部は茎を抱く。 
成分 小麦に比べて繊維がやや多く、灰分、
カルシウム、鉄分、ビタミンB1、ニコチン酸などがやや多く含み、グルテンを含まない。
粘りのあるタンパク質「グルテン」を多く含む
用途 麦ご飯・醤油・味噌・ビール パン・麺類

大麦の用途

皮を搗いて圧扁(平たく押した状態)した大麦と米とをまぜて炊飯する麦めしや、焙煎する麦茶ビール・焼酎・みそ・しょうゆ等の発酵食品に利用されています。

これらの他、香煎(麦こがし)水あめの原料にも使われます。なお、香煎というのは、大麦を煎って粉にしたもので、皮麦を原料にしたものと裸麦のものとがあります。
食べ方としては、きな粉のように餅にまぶす一般 的で、その香りと風味はきな粉とはひと味違うものです。

生活習慣病予防のために大麦を!

大麦は、学術的な研究から次のような生活習慣病予防が期待できます。

1.大麦で血中コレステロールが下がる
血中コレステロールが高めの方が大麦を継続的に食べると、血中総コレステロールとLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が下がります。麦ご飯だけではなく、シリアルなどに加工されたものでも有効です。

2.麦飯食べてメタボ解消
割麦飯を1~2週間継続して摂取すると、精白米に比べて内臓脂肪(腹部脂肪)、体重、お腹周り、体格指数(BMI)が低下した実例が報告されています。

3.大麦で糖尿病予防
食後、食べたものは、消化されると血液中にブドウ糖として吸収されていきます。これは食後血糖といいますが、大麦は他の穀類に比べて食後血糖値が低くなります。また、糖尿病患者が麦ご飯を摂取すると、血糖値が改善します。血糖値が急激に上昇すると、糖を脂肪に変えるインスリンが過剰に分泌されて体脂肪をため込みやすくしたり体脂肪を燃えにくくしたりします。大麦は、血糖値を安定させインスリンの分泌を節約します。

4.大麦の力の秘密:食物繊維(β-グルカン)
大麦の生活習慣病予防の効果は、大麦の粒の中に食物繊維を豊富に含むことによります。とくに食物繊維の一種であるβ(ベータ)-グルカンがコレステロールを下げたり、血糖値を上げないという作用が強いためです。こうした作用がメタボにも効果がでるものと考えられます。

 

参考サイトhttp://www.oh-mugi.com/ohmugi/index.html